【HUNTER×HUNTER 感想】蟻編に見る「お約束」を覆すことの難しさと凄さ

【HUNTER×HUNTER 感想】蟻編に見る「お約束」を覆すことの難しさと凄さ

「HUNTER×HUNTER」レビュー第4回目。

今回は「蟻編(キメラアント編)」について書いてみるでござる。

 

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「HUNTER×HUNTER」蟻編の基本情報

タイトル(商品名):HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)
作者:冨樫義博
掲載紙:週刊少年ジャンプ
掲載期間:1998年~連載中

 

ハンターハンターの中でこれまで最も長期連載となったエピソード。

単行本で18巻の終わり~30巻までで、掲載期間にするとなんと8年!

 

蟻編が始まった時、誰もここまで長期連載になるとは夢にも思わなかったはず。

拙者も「カイトが再登場したことだし、幕間的な話になるのかな~」なんて思っていた。

それがあれよあれよと言う間に事態が大きくなっていき、敵の強さは極限までのインフレを迎えることになった。

蟻編のあらすじ

HUNTER×HUNTER 第18巻より

 

グリードアイランドを見事クリアしたゴンは、キルアと共に、クリア報酬に選んだ同行(アカンパニー)のカードでグリードアイランドのリストに載っていたNIGG(ニッグ)の元へ飛んだ。

しかし、ゴン達の予想に反し、そこにはジンではなく、ゴンの命の恩人でありジンの弟子であるカイトがいた。

久々の再開を喜び、カイトの仕事(新種探し)を手伝うことにしたゴン達。

 

HUNTER×HUNTER 第18巻より

 

一方その頃、NGL自治区では巨大なキメラアントの女王蟻が漂着し、人間を食料に兵隊蟻を増やし始めていた。

 

カイト達はサザンピースに持ち込まれた女王蟻の足の一部からNGL自治区の危機を察知し、ゴンとキルアを連れてキメラアントのハントに乗り出す。

兵隊長クラスを難なく倒していくゴン達。

しかし、突然現れた王直属護衛軍のネフェルピトーによって、ゴン・キルアをかばったカイトは殺されてしまう…。

 

HUNTER×HUNTER 第19巻より

「HUNTER×HUNTER」蟻編の評価・感想

序盤は結構グロいシーンが多い

HUNTER×HUNTER 第19巻より

 

蟻編はこれまで登場したことがあるキャラ(カイト、ポックル、ポンズ)が簡単に殺されてしまう衝撃的な展開でスタートする。

しかもポックルは頭の中をいじられたり、カイトは改造されるなど結構悲惨な末路。

モブキャラなんかの首チョンパシーンも多いし、序盤に出てくる蟻は結構気持ち悪い奴も多いため、トラウマシーンは満載だ。

特に最初から読んできた人はショッキングかもしれない。

 

ただ、このような展開は序盤のみで、20巻以降はどんどんグロさはマイルドになっていくが、終盤はある意味序盤以上の衝撃展開が待っている。

お約束展開をスカしまくる

HUNTER×HUNTER 第19巻より

 

蟻編では少年漫画的なお約束展開をことごとくスカしていくのも特徴だろう。

ゴン「カイトは生きてる!早く助けに戻ろう」

の台詞の数ページ後にカイトの死亡シーンが出てきたり

 


HUNTER×HUNTER 第20巻より


HUNTER×HUNTER 第21巻より

自信満々にナックル・シュートを倒すと宣言しながら、完璧に負けたり


HUNTER×HUNTER 第19巻より

HUNTER×HUNTER 第24巻より

 

強いはずのキャラクターがあっさりリタイアしてしまったり
(これは他の漫画でもあるか…)

 


HUNTER×HUNTER 第23巻より

HUNTER×HUNTER 第24巻より

強い能力を発現したと思ったらしょぼかったり

 

極め付けはネテロが王との対決で使ったの最後の手段だ。

バトル漫画では完全にタブーな方法を使ってしまう。

 

最初から読み返すとナックル・シュート戦から東ゴルトー入りまでの展開は何となく迷走してるな~とも感じるし、終わらせ方に不満を持っている人もいるだろう。

その一方、蟻編はネットで評価が高かったりもする。

これは「ハンターハンターは先が読めない」という印象をこれまでの話の中でしっかり印象付けてきたからじゃないだろうか。

 

ただ、これを真似して他の漫画も面白くなるか?と言われると微妙だ。

場合によっては興冷めしてしまうことにもなりかねない。

無理矢理納得させてしまうのも作者の力量なんだろう。

終盤戦は圧巻の迫力!

HUNTER×HUNTER 第26巻より

 

上で書いたようなタブーを犯したにも関わらず蟻編が支持される理由は、その圧倒的な絵の迫力にもあると思う。

終盤、ゴン達はキメラアントの王がいる宮殿に突入するところから、迫力のある大ゴマが多くなり、それぞれのキャラクターの感情が大きく読みとれるようになっている。

 

HUNTER×HUNTER 第28巻より

 

この有無を言わせぬ絵の迫力で無理矢理納得させられてる感もある。

それにしてもキャラクターの感情の描き分けは見事だ。

微妙な表情から激情まで見事に描き分けていて、本当に分かりやすい。

総評

特に宮殿突入後は色んな意味で衝撃的。

キメラアント編は現在の暗黒大陸編にも繋がる部分があるため、読んでいない人は目を通しておこう。

 

得点:71/100

拙者は王やピトーの倒し方にややガッカリした方側の人なので、点はやや低め。

ただ、どちらのシーンも迫力がすごいので一見の価値ありだと思う。

 

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